イントロ
2017年11月29日にB’z 20th アルバムの
がリリースされた。
先回の『EPIC DAY』から約2年9か月振りにリリースされたこのアルバムを約1ヶ月ほど聞いた感想を記してみたいと思う。
のっけから言い訳がましくなるが聞いたといっても通勤途中の自動車で聴いた感想となるので、細かいサウンドの造り込みなどはロードノイズにスポイルされてしまっていたりするので演者側が伝えたい微妙なニュアンスを自分の方が汲み取れていないことも多々あるかも知れないが、そこはご容赦いただきたい。
また今回は
『ロックを40年近く聞いているオッサンが何の事前情報もなく音を聞いて感想を述べるとこうなるよ』
といった自分の感覚でのみ記事を書いてみたいので積極的な情報インプットをしていない(WebやYoutubeからの情報が少しはあるが歌詞カードやクレジットすら読んでいない)こともあり、的外れな記載等があるかもしれないが併せてご容赦いただければと思う。
各曲について超個人的感想
01:Dinosaur
イントロが印象的なアルバムのタイトル曲で、そのイントロの恐竜の鳴き声っぽいギターを聴いたときに思わずキング・クリムゾン再結成時に加入したエイドリアン・ブリュー
がアルバムで魅せた『エレファント奏法』(象の鳴き声をギターで再現)を思い出した。
ちょっと違うけどB’zとも親交のあるスティーヴ・ヴァイがデイヴィッド・リー・ロス
のアルバムで弾いた『笑うギター』なんかも一緒に思い出してしまったのはこれまた事実。
肝心の曲はというとヘビィ且つノリのいいサビなどが素晴らしく、まさしくアルバムのオープニングを飾るにふさわしい1曲となっている。
しかし恐竜の鳴き声っぽいサウンドはどのギター使っているんだろうか、Youtubeで見た高崎晃のシグネイチャーモデルとは違う気がするけれど・・・。
リフや曲中のギターはPVにもあるフライングVだと思うが、ちょっとヤンチャな歪みでSGの様なサウンドだけどEPIC NIGHTのツアー時の『Las Vegas』なんかもこのギターでこんな感じのサウンドだったから多分そうかと思うけどね。
02:CHAMP
イントロはディレイのかかったギターから入ってパワーコードへと移っていくその流れがたまらなく気持ちいい感じで、あと曲のメロディラインがこのアルバムで個人的に一番好きかも。
特にサビ部分なんかは自動車の運転中でも思わず声を張り上げてシャウトしそうになるくらいの高揚感がたまらなく、音数の問題とかもあるんだろうけど
『I’m a Champ』
『I am a Champ』
の使い分けなど巧みな言葉遣いはキャリアのなせる業か。
稲葉さんもサビでは
『普段より多めにシャウトしています!』
って感じで江戸の伝統芸能の師匠方じゃないけれど、意識的に声を張っているように聞こえるのは自分だけでしょうか。
03:Still Alive
以前の『声明 / Still Alive』のエントリーで記事にしているのでそちらを参照下さい。
04:ハルカ
ベースがフィーチャーされたちょっとファンキーなサウンドが気持ちいい1曲。
ギターソロがメジャースケールで展開されるところもB’z初期の叙情的かつメロディアスなギターとの対比が面白くて時間の経過を感じさせる。
自分的には好きな曲だけれど往年のファンの中でも特に初期のサウンドが好きな方はちょっとフックを感じにくい曲かも知れないですね。
思いっきり日本語の妙的な歌詞とサウンドのいい意味でのアンマッチが面白いアルバム中でも特異な曲ではないでしょうか。
05:それでもやっぱり
ここしばらくのB’z感が漂うバラードで聞いていて安心するというか
『おうおう、これこれ』
って感じがする反面で変わり映えしないと言うと失礼だけど、ある意味ド直球と言える曲かも知れない。
まさしく最近のB’z王道バラードですが、なんといってもこの曲が映えるのはライヴではないかと思う。
静まり返った会場で抑え気味の演奏に載った稲葉さんの声に包まれるあの感覚は『LIVE-GYM』に参加したことのある人ならだれでも味わったことがあるんじゃないかと思うけど、センシティブというか曲が良く入ってくるタイプの人ならそれこそ
『背筋がゾクゾク』
って感じが味わえるのではないかと勝手に想像します。
06:声明
以前の『声明 / Still Alive』のエントリーで記事にしているのでそちらを参照下さい。
07:Queen Of The Night
ギターのサウンドがシングルコイルっぽくて、うっすらとコーラスが掛かっている様に聴こえるのがすごく気持ち良くてついついギターサウンドに耳がいってしまう1曲。
でも反面ギターソロの音作りがちょっとブーミーでそのコントラスト鮮やかなサウンドが曲の歌詞とよくマッチしていて、過去のキャリアとは一線を画す何かを感じさせる。
『Queen Of The Night』ってそのまま『夜の女王』ってことではないはずなので何か意味があるんだろうけどちょっと歌詞からは汲み取れない。
『花びら』だとか『咲き誇る』なんて言葉が出てくるのでそこらへんにヒントがあるかも知れないけど、花そのものなのか女性に対する比喩なのかは自分の読解力程度では稚拙すぎてわかりません。
08:SKYROCKET
アゲアゲ(なんていまどき言わないか)な感じでこれも別の意味でライブ映え間違いなしの1曲。
メジャーコードでの展開が気持ちよく、今までありそうでなかった感じで『GREEN』アルバムに収録されている『Blue Sunshine』っぽい爽快感や青空感があるけれど、更によりメジャーコードっぽさが強調されていて、ライブ演奏では曲中の
“Sha la la la Blue Skyrocket”
のとこらなんかで客席とコール&レスポンスや手拍子でやり合う姿がはっきりと目に浮かんでくるし、ギターソロ部もツインギターでハモると気持ちいいことこの上なしって感じでライブが待ちどうしくてたまらない。
09:ルーフトップ
イントロのギターの引き摺り感がなんともヘビィというかダークというか前の曲との流れが良く考えられていて、より一層強調された感が漂う。
曲自体はさほど目新しさを感じるものではないけれどアレンジが良く練られていて、この辺りはまさしく
『B’zのサウンド』
『造り込まれた感』
を感じることが出来る。
若いことは素晴らしいことで否定するものではないけれど、若手には真似出来ない熟練職人のようなサウンドは存分なキャリアを積んだ唯一無二の存在である彼らだからこそ無し得るものであろう。
10:弱い男
聴いた最初の感想は
『結構攻めてるなあ』
って思ったし、ブラスをフィーチャーしてるのでライヴでどういった演奏をしてくれるのかも別の意味で楽しみに感じた1曲。
一方で稲葉さんにしては珍しく歌詞がシンプルだなあというのもこの曲に対するもう一つの印象としてはある。
でもこういった感じの曲はシンプルな歌詞の繰り返しや韻を踏むような僅かな言い換えなどで歌った方がサウンドの勢いを殺さないような気がするし、引き立てる役割もすると感じる。
うーんやっぱりライヴでどういったアレンジを仕掛けてくるのか気になるなあ。
11:愛しき幽霊
この曲も王道バラードだけど、ここまでアコギ&スライドギターで通した曲があったかなあと考えるとちょっと思いつかない。(忘れているだけかもしれないけど)
アコギのスライドだからエレクトリックギターのようなサステーィンが無いこともあって、なんかちょっと寂しげな例えば冬の街並みのような(抽象的!)そういった独特の世界観を感じるのは自分だけかもしれないけど、このアルバムの中ではこの曲の前後をイイ感じでブリッジしていて良い意味でのアクセントになっているのではと感じる。
12:King Of The Street
イントロのリフが印象的な1曲。
4小節で4回繰り返すうちの1回目と3回目が同じフレーズで2回目と4回目が各々違うフレージングとなっているなど松本流の芸の細かさが窺える。
このアルバム通してのメジャースケール感をこの曲もまとっているのだが、Bメロでちょっとマイナーな感じに転じた後にサビで豪快にメジャーに切り替えるあたりなんかは曲の雰囲気は違えどある意味では鉄板の松本サウンド的な展開が凝縮されていると感じる。
サビのメロディを聴いているとモンキーダンスやスイムで踊っている姿が浮かんでくる自分はちょっとおかしいかのも知れないけど、思わず体が動いてしまう衝動に駆られる様な気にさせられるし、少し『ZERO』的世界観を彷彿とさせる歌詞もこの曲に彩りを添えている。
13:Purple Pink Orange
アルバムの最後を飾るにふさわしいスケール感溢れる荘厳な1曲。
個人的にはかなり好きな曲だけど、カラオケで歌えって言われたらちょっと自分には表現力がなくてしんどいなと思わせられるくらい情感のたっぷりのヴォーカルは素晴らしい。
ライヴではむしろ中盤に演奏しそうな気がするけどかえってその方がサラっと聴けていいかもしれないと思うのは、アンコールのラストなんかで演奏すると結構余韻が大きすぎてなんか重たくなっちゃうかもなんて思ったりする。
物凄く偏ったイメージだけれど
『夕焼け空を見ながら寒い中にオープンカーで風を切りながら地平線の彼方に走っていく』
みたいなものを勝手にイメージしてしまうようなちょっと男性的な世界観を自分は感じます。
またエンディングのギターソロがイイですね。
ギター好きとしてはアルバムの中で1曲くらいはこれくらいガッツリ弾いてほしいものです。
アウトロ
約1ヶ月の間B’zのニューアルバム『DINOSAUR』を聴いてみて、まあ思うままに好き勝手に書いたんだけど読まれた方は
『全然違うよ』
『何言ってんの』
『コイツなんにもわかっていない』
などと感じるかも知れません。
でも音楽って本来そういうものだし、十人十色じゃないけど人それぞれが違った印象を持つはずだと思うし、むしろみんながみんな同じ受け止め方だとそれは別の意味で怖い。
超個人的意見としては『MAGIC』アルバムあたりから顕著になってきた
『ROCKの原点への回帰』
みたいなものについての
『最初の着地点』
のような気がしてならない。
自分としては『C’mon』アルバムから『EPIC DAY』
アルバムを経て今回の『DINOSAUR』
アルバムに至り何か新しいB’zの姿が見えてきたような気がして、活動30周年を迎えようとしているグループだけど今後について更に期待を抱かせるアルバムであったことは単純にファンとして嬉しい限りだ。
今の時点で次のアルバムの話をするのは気が早いけど、この30年近く業界のトップグループで走り続けてきた二人組が今後どんな展開を見せてくれるのかに期待しつつ今回の記事を結ぶことといたします。

